10月27日(火)第三回定例会最終日に、日本共産党を代表して、2014年度決算認定に反対の少数意見を大橋がのべました。
主な内容は以下の通りです。長くなりましたがお読みください。
江戸川区は、積み立てた主要6基金を過去最高の1238億円とし、地方公共団体の実質黒字である実質収支比率は6.5%(3~5%が望ましい)とした。非課税世帯が多く担税力の少ない本区にとってこの二つは異質といえる。わが党は、決算認定にあたり、第一に、区民生活を守るためにどのように努力がはらわれたか、第二に、区政運営に民主主義が貫かれたか、第三に、国や都に対し区民を守るためにどのような態度がとられたかなどの観点で審査を重ねた。
第一の反対理由は、子育て支援と職員採用に冷たい区政。江戸川区以外の22区は3年間で257箇所の認可保育園を増やしたが、江戸川区は一箇所も増やさず、待機児は49人増えて347人に上った。来年度3箇所の増設があるがそれ以外計画がない。約1000人の認証保育所保護者への保育料補助がないのは江戸川区だけ。区は、0歳児280人には区独自の乳児養育手当があるとしているが、1歳児以上の730人には支給されず公平性にかける。職員採用について、特に区立保育士の14年間退職者不補充による正規採用ゼロは異常。保育士が高齢化しても、配置基準外の非常勤がいるからよしとしている無責任さ。保育の学びあいもモチベーションもさがり、夢も希望も持てない職場になっている。年間53万人もの来場者がある自然動物園において、非正規の飼育員が来年3月で雇い止めとなる可能性がある。近隣の自治体が運営する動物園の多くが8割以上の飼育員を正規で雇用しているのに対して、正規の飼育員が一割にも満たないというのも異常である。
反対理由の第二は、不必要な公共事業を、住民の声を無視して強引に進めている姿勢。道理のない無駄な公共事業で、すみなれた地域を追い立てられる住民から、裁判まで訴えられているスーパー堤防計画は、まさに無計画で無駄な公共事業の典型である。また、荒川右岸の平井4丁目では、マンション建設によりスーパー堤防を断念した。この無計画性について、納得できる説明がない。現実的で早く効果が期待できる堤防の強化策を責任を持ってすすめるべき。江戸川区が北小岩一丁目東部地区や篠崎公園地区ですすめているスーパー堤防計画は即刻中止すべきである。また、社会状況の変化により、交通環境も大きく変わろうとしているもとで、特定整備路線補助144号線など、住民を顧みず、いまだに何十年も前の都市計画・道路計画を無検証・無反省に進めようとしていることも認められない。住民が納得できるすみやすく環境にも配慮した防災に強い街をめざすべき。
反対理由の第三は、国の政治に対する姿勢の問題。昨年度は消費税が5%から8%へと増税された。消費税増税は、直前の駆け込み需要の反動が大きく、経済の6割をしめる個人消費は低迷を続け、景気の足踏み、後退傾向が強まっている。使用料等への転嫁、「転嫁しなければ違法行為になる」と増税にあわせて値上げした区はなかった。国民のくらしと経済の基礎体力をも奪いかねない10%増税を「法で決まったから粛々とすすめる」という姿勢は容認できない。マイナンバーが施行された。区長は、召集挨拶で「不安が広まっていることも否めません」と述べた。国と自治体が、全国民を番号で管理するマイナンバー制度は利便性どころか、危険性と隣りあわせで、個人情報保護という基本的人権を守る立場から、G8など世界主要国では、見直しや撤退が図られている。今後制度への厳重な監視が求められるとともに、国や自治体の責任が厳しく問われることになる。
第四の反対理由は、教育行政の冷たい姿勢。日本PTA全国協議会など、子どもと学校関係者が最も望んでいる少人数学級の実施は国民的な要求であるが、江戸川区は、国と都へ少人数学級実施を要望せず、隣接している江東区や葛飾区のような独自の非常勤教員か加配もやらない。学校図書館司書の配置を3会派が求めたが、実施する姿勢を示さない。全国初の読書科をすすめているのに、「学校司書ありきではなく図書館活用の醸成が大事」として、23区で唯一配置しない。子どもの貧困対策に力を発揮するスクールソーシャルワーカーの配置も3会派から要望があった。区は検討していると回答したがすぐにでも配置すべき。特別教室のエアコン未設置は、251教室。都があらたに補助金をつけるにもかかわらず、設置の計画はなく、使用実態を調べることもしない。すくすくスクール・学童クラブの子どもたちに、補食の復活は歓迎されているが、以前のように職員を増やし、希望者全員への補食の提供と就学援助世帯への補助を復活させるべきである。