都議会の女性の人権侵害のヤジが大問題となり、世界中からも議会の品性が問われたばかりでしたが、国会でも「結婚して早く子どもを産め」とのヤジがあったことが、7月3日、関係者の話でわかりました。ヤジは、4月17日の衆議院総務委員会で質問にたった、日本維新の会の上西議員が「一極集中を防げば、過疎化は解消される」と発言した後に、自民党席の方向から起きました。委員長が不規則発言は慎むように注意しました。7月4日、上西議員は、セクハラ・人権侵害ヤジについて、自民党の大西英男衆院議員から、「ご迷惑をおかけし、申し訳なかった」と謝罪の電話があったことを大阪市内で記者団に明らかにしました。上西氏は謝罪を受け入れる考えをしめしました。
大西英男衆院議員は、東京・江戸川区議を経て、1993年に都議となり、2003年に東京都議会自民党幹事長に就任しています。この経歴を生かして、2012年に衆院東京16区から当選したばかりの新人国会議員です。都議会自民党は、今回の女性の人権を侵害するヤジ問題で発言者一人が名乗り出ただけで、ほかの発言者をかくまうような幕引きを図り、責任を逃れようとしています。都議会自民党出身者による同様の国会のヤジは、人権侵害・女性差別の根深い体質を示したものです。
自民党の大西英男衆院議員は4日、ヤジ問題で取材に対し、「早く結婚して子どもをつくってほしいという願いからつぶやいた。女性蔑視でもセクハラでもない。今後、誤解を受けないよう発言に気を付ける」と釈明しました。重大発言への批判を“誤解”だとして謝罪ポーズで済ませる狙いです。
江戸川区議会も、聞くところによれば、大西氏が区議会議員のころはひどいヤジがあったとのことです。今は、ひとりごと程度の不規則発言はあるものの、人権侵害に当たるヤジはありません。議会は言論の府です。人権侵害のヤジで議会を貶めるようなことがあってはなりません。大西氏は都議会の問題が浮上しなければ、上西氏に謝罪しないままでした。この人権感覚のなさは、議員としての資格が問われます。謝罪で終わらせることなく、国会の信頼を回復するためにも、江戸川区民に対しけじめをつけるためにも、辞職を含む対応をするべきではないでしょうか。