2016年9月13日 のアーカイブ

青森県と函館市を訪問

2016年9月13日 火曜日

8月29日~31日までの3日間、区議会生活振興環境委員会で、青森県と函館市の視察に伺いました。新幹線が函館まで延長されたこともあり、行きは新幹線を利用。新幹線青森駅と在来線の青森駅は約4キロ離れており、移動にはタクシーを使いました。視察の内容は、青森県では、「商店街支援事業」と「エネルギー産業振興戦略の策定」、函館市は「地域まちづくりセンターについて」の3つです。岩手県の久慈や岩泉に大きな被害をもたらした台風が近づいており(この時はまだその様子はわかりませんでした)新幹線が動くか心配されましたが、私たちの予約した列車は大丈夫でした。東京方面はすべて運休で、困っている方がたくさんいました。30日の函館市の夜は暴風雨で、31日の朝は道路に葉っぱが散乱し、その台風の強さを感じさせました。視察は予定通りできて、帰りは、函館空港から飛行機でした。羽田空港には、東京湾から着陸コースに入り、D滑走路に到着。今、オリンピックに向けての新ルートが提案されており、都心上空を飛ぶことになったら大変だとあらためて思いました。以下、視察した内容をまとめてみました。

青森県商店街支援事業について

DSCF3093青森県は、人口減少という事態に直面しています。県の予想では10年後は11%、20年後は23%という予想は衝撃的でした。江戸川区でも、人口減少時代にどう対応するかが求められています。しかし、現在は、まだ危機的な状況ではありません。青森県は、まず、有識者による検討委員会を設置し、生活に必要なものがそろい、買い物先として選ばれる商店街にと新たな市場や空き店舗の活用などを考えました。高齢者や子育て世代が集える商店街としてのコミュニティ機能、空き店舗での運動や健康教室、交流の場、買い物弱者対策としてスーパーや地元商店と連携した車の移動スーパーも実施しています。ねぶた観光も目玉です(まだ、ねぶたまつりを見たことはないのが残念)。加工品や飲食店の工夫も注目です。東京でも販売されている「おやさいクレヨン(野菜パウダー使用)」や地域の資源をメニューにいかす飲食店などです。県としては、商店街へのアドバイザー派遣事業や補助金の支給(限度額100万円)をしています。空き店舗活用にためのプランを募集して優秀なものに補助金(80万、40万)を支給することもはじめました。江戸川区も商店街への支援は、区内共通商品券に代表される活性化策をいろいろ続けています。今後、地域資源も活かしながら、商店街とも連携したとりくみを考えられないでしょうか。

青森県エネルギー産業振興戦略の策定について

DSCF3126青森県は、2016年3月に、「エネルギ―産業振興戦略」(2030年まで)を策定し発表しました。76ページに及ぶ内容は、エネルギーをめぐる状況、エネルギー産業の状況を踏まえて基本方針をしめしています。省エネの推進、再生可能エネルギーの導入、地域の産業振興や雇用創出の原動力となる地域社会というものです。省エネ対策として、冬場の暖房で灯油が多く使われている実態から住宅の見直しもはじめているということでした。また、2030年には再生可能エネルギー(太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスなど)を5倍にする計画。環境には十分配慮した計画であることがよくわかりました。さらに、エネルギーの地産地消、持続型、低炭素型の地域社会をめざし、事業効果として雇用創出約1万人をあげています。そのために11のプロジェクトを立ち上げているということでした。ただ、発電した電力を東京など大都市に送る送電線の設備に10年かかるとのこと、知事会でも国に働きかけているとのことでした。エネルギー政策においても地域資源の活用が大事にされています。江戸川区は地域資源を活用しての再生可能エネルギーは難しい面がありますが、太陽光をもっと活用できないでしょうか。公共施設には太陽光パネルが設置されてきています。各家庭でも設置できる補助金制度など検討が必要と考えます。

函館市地域交流まちづくりセンターについて

DSCF3196大正12年に建てられた建物を、減築(5階建てを3階建てに減らす)という方法で耐震工事を行っての再利用という画期的な建物にまず驚きました。費用も7億円かかり、立て直したほうが良かったという声も。しかし、重厚な雰囲気、階段が大理石というすばらしいものでした。函館市地域交流まちづくりセンターとして2007年4月にスタートし、指定管理者制度でNPO法人が運営しています。館長は、利用者の立場に立った使いやすさ、書類主義ではなく現場主義、柔軟な発想、効率的な運営などを成果・メリットとして強調されました。実際に見学をしてみると、館長の熱意と同時に、市民参加の様子がよくわかりました。一階のロビーは野菜マルシェ(水曜日)でたくさんの店が出展し、なじみのお客さんもいるように感じました。3階は会議室のほかに、まちづくりオフィスとして多くの市民団体が利用、利用料も安く、利用者が増えているのもうなづけました。江戸川区もコミュニティ会館が各地域にあり、様々な活動に活用されています。区内では、まちづくりの拠点として、市民活動やNPOの情報発信のセンターの役割はどこが果たしているといえるでしょうか。

羽田空港新ルート案の撤回を

2016年9月13日 火曜日

9月8日は、朝から航空機が区内を通過しました。この写真は、私がお借りしている駐車場からとりました。ほぼ、真下です。IMG_1548悪天候南風の時に区内を通過する飛行機、やむをえないという範疇をこえています。飛行機が通過するたびに「ああ、またか」と、思われる方がたくさんおいでではないでしょうか。8月末に議会で都市視察に出かけた帰路は飛行機でした。天候はよかったので、区内を通過せず、海上からD滑走路に着陸しました。このように海上を使うことが大前提のはずなのに、2020年のオリンピックを契機に、都心上空を、新宿、渋谷、港、品川、大田などを縦断して着陸する新ルートはありえない提案です。万が一を想定しての飛行ルートを考えるのが国の役割です。首都圏の航空機の増便をするのなら、茨城空港との連携、米軍横田基地返還も視野に入れた対策を検討する時期に来ているのではないでしょうか。

また、8月に荒川上空を離陸機が通過したことがどういうことかと、区に聞いたところ、雷雲が発生したためという回答でした。しかし、通過した3回のうち、一回は雷雲はなかったということが判明しています。住民からは、試験飛行ではないかと苦情が届いています。説明がその都度きちんとされないことは大きな問題です。