2015年12月5日 のアーカイブ

江東児童相談所を視察

2015年12月5日 土曜日

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11月20日午後、江東区の枝川にある、江東児童相談所の取り組みの視察に伺いました。私は、2回目の視察です。

IMG_5569この相談所は、墨田、江東、江戸川を担当しています。児童相談所を区に移管するという話がありますが、まだ時間がかなりかかりそうです。虐待の相談では、平成25年度の相談受理数は743(江戸川373)、平成26年度は999(江戸川501)となっており、江戸川にとっての相談所の役割は大変大きいといえます。もともと江戸川区の児童数は10万9304人で、墨田と江東を足した数にあたります。緊急一時保護の施設入所は平成25年度235人、平成26年度は265人。半数以上が江戸川区の子どもたちです。虐待の相談が急増しています。住民の方の虐待の認識が変わってきたことも。従って、働いている職員の疲弊感も強く、ご苦労が多いことが話されました。江戸川区から2名派遣されています。金曜日の夕方電話があれば、夜中でも訪問活動をするとのことでした。

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一階の心理療法室は、子どもの興味に合わせて、おもちゃ、調理施設、卓球台などもあり、面接室は、被害確認のためにダメージを広げないために箱庭などが置いてありました。

2階は、男女に分かれて、生活する部屋(女子定員14名、男子定員18名)や共同で使う部屋やふろ場がありました。共同で使う部屋は、学校と同じような机がおいてあり、訪問した時はおやつを食べていました。3階は、食堂、学習室、多目的ホールがあります。食堂では、「一口でもいいから食べよう」とよびかけ、朝食べない子も、3食違うメニューがはじめての子もいます。一時保護所に入所したことで学校に行かなくても出席扱いです。訪問したときは、中学生が、3人で先生から英語を教えてもらっていました。受験がうまくいくといいですね。

以前、虐待のために保護をされた子どもを返してほしいという母親の方からの相談がありました。相談所長さんは、納得していない保護者の話はきちんと聞いて受け止める、許されないこと、許されることの面接を繰り返しているとのこと。専門家としての一時保護の判断は緊急を要するだけに難しいと思われますが、子どもの安全を守ることで対応しているとのことでした。

私も、かつて、一年生を担任していた時に、子ども(A)の一時保護にたちあったことがありました。Aは、乱暴なところがあり、おどされて怖くなって学校に来たくないという子もいました。一緒に遊んでくれる子もいましたが、学習のルールは受け入れない子でした。家庭訪問の時も、体罰については母親と話しました。父親とも相談しました。父親が母親を説得できないことから、校長が、学校に保護者を呼び、相談所の職員が来て保護者に説明し、納得していない保護者の前で、一時保護に行くかどうか子どもの意志を確かめて学校からそのままつれていきました。Aは、一時保護となり、転校となったのです。私も、学校からそのまま連れていく措置がよかったのか、いまでもわからないことです。この時は、江東児相がいっぱいだったため、新宿の施設に入りました。その後、Aは、知的障害者手帳を取得し、発達障害のパニックをおさえる薬を服用しながら、別の学校にある特別支援教室に転校しました。Aは表現力が豊かで、展覧会には私も必ずいきました。子どもを見守っていくむずかしさを実感した経験でした。どの子も安心して暮らせる環境、ありのままの自分を認めてくれる環境を保障できる社会でありたいです。

LGBTを考える

2015年12月5日 土曜日

11月15日、葛西区民館で開催されたつどいは、会場に入りきれないくらいの参加でした。はじめに、LGBTの基礎知識の学習。Lは女性を恋愛の対象とする女性「レズビアン」、Gは男性を恋愛の対象としる男性「ゲイ」、Bは男女両方の姓を恋愛の対象とする男女「バイセクシャル」、Tは性同一性障害など体と心の姓が一致しない、違和感を持つ「トランスジェンダー」。

他にも、男か女かわからないインターセックスの人をはじめ、愛する感情が持てない人、裸になれず一緒にお風呂に入れない人など多様な性的マイノリティの方がいることがわかってきました。このような性自認に気づきはじめるのは平均13.1歳。1994年にWHOで病気ではないとしめされました。それまでは、広辞苑でも異常と書かれていました。学校でもとりあげたことはありません。オリンピック憲章でも、LGBTの人権を守れとしめされました。性的マイノリティの自殺率が高く、今回のマイナンバーの件で仕事を辞めた人も。

参加者の発言では、学校で男らしさや女らしさを求められ、「ぶりっこやめろ」、「女らしくしないとスポーツトレイナーできないよ」といわれたこと、「おかま」といわれたいじめで、みんなの前で先生から「おかまではないよ」と言われたこと、「おかまっていわれてくやしくないの。男らしくしなさいよ」といわれたこと、走り方をなおされて、一位だったのが三位になってしまったことなど、学校でのことが次々と話されました。私が担任した子どもたちの中にも確実に存在していたLGBTのことを私は知らずに教員をしてきました。どこかの話として、知識としてうけとめていたことが反省させられます。

また、職場では、本当の自分がだせないこと、性転換手術をして男性としていきているが、過去のことが話せないこと、話したことで、差別的な目で見られるのではないかと悩む方も。

牧野区議の性的マイノリティ、LGBTの質問では、LGBTの説明をしたあと、さらにこう続けました。「性の在り方」は、そもそも一人ひとり多種多様です。どの性別を好きになるかを指す「性的指向」や、その人固有の性別感覚である「性自認」も様々であり、そしてそれは、もともとその人に備わっている、自分の意志では変えることができないものです。ゆえに、LGBTを性や恋愛の話などと一面的にとらえるのではなく、個人の尊厳やアイデンティティに関わってくるようなテーマとして扱っていく必要があります。しかし、そのことが正確に認知されていないことから、多くの性的マイノリティは偏見と差別にさらされています。

日本におけるLGBTの割合は、電通の調査によれば、7.6%、13人に一人。人口に換算すると、全国で約960万人、江戸川区では5万2千人いるといわれ、左利きの人の割合に匹敵するとも言われています。しかし、身近に存在すると答える人はごくわずかです。ここに、この問題の深刻さがあると、牧野区議は指摘しています。私も同感です。人権尊重は、人間が人間として人間らしく生きていくことを保障することです。あらゆる差別をなくすために私もがんばります。

性的マイノリティ、LGBTを知っていますか

2015年12月5日 土曜日

最近、LGBTをとりあげるマスコミが増えてきました。渋谷区と世田谷区で、「結婚に相当する関係」と認定するパートナーシップの制度がはじまったことが大きくとりあげられました。江戸川区に在住のLGBTの方が、本区にも同じような制度を作ってほしいと陳情がだされたのも、共産党江戸川区議団が質問をするきっかけとなりました。彼らは、ワークショップを定期的に開催して、多くの方と語り合うことを願っています。彼らの行動力と、区議団に牧野議員が新たに加わったことが大きかったです。牧野区議は、友人にLGBTの方がおり、身近な問題としてとらえていました。私の身近にもいるかもしれませんが、私は、教員として、男女平等教育をすすめる視点から、性的マイノリティをとらえていました。子どものいきにくさ、男らしさ女らしさを求められる環境の中で、どれだけくるしむか、男女差別をなくしたいという視点から、だれもが人間らしく生きていける学校、社会にしていきたいと、学校教育をとらえるようになりました。性的マイノリティのことは教育研究集会でたびたび話題となっていました。

さて、今回の牧野議員の4つの質問と区長答弁を紹介します。

Q:区長はどう認識しているか。当事者の話を聞いてほしい

A:正面から法的に認めて、差別偏見ないように払拭していく。これが、大きな目標だ。世界は20か国以上認めている。日本は憲法で両性の合意とあるので認めていない。人権問題としてわかってもらう努力を。直接話を聞くことは可。

Q:男女共同参画推進計画に加えるべき。

A:平成29年に改定する。勉強して決めていく。

Q:啓発のための講座などの実施を。相談窓口の案内を

A:窓口は決めていないがうけていく。

Q:今後の区の検討課題にするべき

A:世田谷は、法的なものではない。中味として、公的な認め方するものを持っていないので、是非も含めて、研究課題にしていく

11月15日に行われた、ワークショップでは、LGBTの方だけではなく、この課題を考えていきたいという方が、多方面から集まりました。区議団からは、瀬端、牧野、大橋が参加しました。はじめて聞くお話もあり、当事者との意見交換は欠かせないと実感しました。12月1日の牧野区議の質問にも、多くの当事者の方が傍聴にこられていました。

私も、引き続き、勉強しながら、学校教育の面でどうしていけばいいか、考えていきます。