11月20日午後、江東区の枝川にある、江東児童相談所の取り組みの視察に伺いました。私は、2回目の視察です。
この相談所は、墨田、江東、江戸川を担当しています。児童相談所を区に移管するという話がありますが、まだ時間がかなりかかりそうです。虐待の相談では、平成25年度の相談受理数は743(江戸川373)、平成26年度は999(江戸川501)となっており、江戸川にとっての相談所の役割は大変大きいといえます。もともと江戸川区の児童数は10万9304人で、墨田と江東を足した数にあたります。緊急一時保護の施設入所は平成25年度235人、平成26年度は265人。半数以上が江戸川区の子どもたちです。虐待の相談が急増しています。住民の方の虐待の認識が変わってきたことも。従って、働いている職員の疲弊感も強く、ご苦労が多いことが話されました。江戸川区から2名派遣されています。金曜日の夕方電話があれば、夜中でも訪問活動をするとのことでした。
一階の心理療法室は、子どもの興味に合わせて、おもちゃ、調理施設、卓球台などもあり、面接室は、被害確認のためにダメージを広げないために箱庭などが置いてありました。
2階は、男女に分かれて、生活する部屋(女子定員14名、男子定員18名)や共同で使う部屋やふろ場がありました。共同で使う部屋は、学校と同じような机がおいてあり、訪問した時はおやつを食べていました。3階は、食堂、学習室、多目的ホールがあります。食堂では、「一口でもいいから食べよう」とよびかけ、朝食べない子も、3食違うメニューがはじめての子もいます。一時保護所に入所したことで学校に行かなくても出席扱いです。訪問したときは、中学生が、3人で先生から英語を教えてもらっていました。受験がうまくいくといいですね。
以前、虐待のために保護をされた子どもを返してほしいという母親の方からの相談がありました。相談所長さんは、納得していない保護者の話はきちんと聞いて受け止める、許されないこと、許されることの面接を繰り返しているとのこと。専門家としての一時保護の判断は緊急を要するだけに難しいと思われますが、子どもの安全を守ることで対応しているとのことでした。
私も、かつて、一年生を担任していた時に、子ども(A)の一時保護にたちあったことがありました。Aは、乱暴なところがあり、おどされて怖くなって学校に来たくないという子もいました。一緒に遊んでくれる子もいましたが、学習のルールは受け入れない子でした。家庭訪問の時も、体罰については母親と話しました。父親とも相談しました。父親が母親を説得できないことから、校長が、学校に保護者を呼び、相談所の職員が来て保護者に説明し、納得していない保護者の前で、一時保護に行くかどうか子どもの意志を確かめて学校からそのままつれていきました。Aは、一時保護となり、転校となったのです。私も、学校からそのまま連れていく措置がよかったのか、いまでもわからないことです。この時は、江東児相がいっぱいだったため、新宿の施設に入りました。その後、Aは、知的障害者手帳を取得し、発達障害のパニックをおさえる薬を服用しながら、別の学校にある特別支援教室に転校しました。Aは表現力が豊かで、展覧会には私も必ずいきました。子どもを見守っていくむずかしさを実感した経験でした。どの子も安心して暮らせる環境、ありのままの自分を認めてくれる環境を保障できる社会でありたいです。