自民党内の若手議員の「勉強会」(6月25日)で、報道機関に圧力をかけるような発言があいつぎ(発言者と内容はマイクを通じ室外まで聞こえた)、安倍政権への批判が広がっています。当初、安倍首相は、「事実なら大変遺憾だが、党の正式な会合ではない」と居直りました。28日のNHK日曜討論で、自民党の谷垣幹事長は、「大変申し訳ないという気持ちを踏まえ処分した」とはじめて謝罪の意を表明しました。自民党はこの発言関連で27日に4名を厳重注意しています。
27日の「朝まで生テレビ」は、戦争法案を中心に討論する予定でしたが、与党から一人も出席せず、司会者の田原総一郎氏は、「議論から逃げた」「自公両党は国民を相手にしていない」と厳しく批判するとともに、戦争法案の審議が相当際どい状況に陥っていることの反映だとの見方を示しました。
日本共産党志位委員長は、26日、自民党若手議員や百田尚樹氏からメディアの報道規制を求める暴言が相次いだことについて「言論の自由への挑戦であり、看過できない大問題です。安倍首相は自民党総裁としてきちんと事実を調査し、国民に謝罪すべきだと強く求めたい」と語りました。
大西氏は、昨年、国会審議中に、「早く結婚して子どもを産まないとだめだぞ」とヤジをとばして謝罪においこまれた江戸川16区選出の議員です。私も、このヤジ問題に対して、他の女性議員とともに大西氏に「重大な人権侵害をくりかえすな」の抗議の文書を届けました。ところが、また、この「マスコミを懲らしめるには広告料収入がなくなることが一番。経団連に働きかけてほしい」との発言となりました。しかも、この処分を受けた後の30日も、大西氏は「日本の国を過つような、誤った報道をするようなマスコミに対して広告は自粛すべきなんじゃないか」と攻撃。党の勉強会の発言については「野党が党利党略に使っている」「問題があったとは思わない」と居直りました。言論の自由という最も基本的な権利を破壊する暴言を許すことはできません。
百田氏から「つぶさないといけない」とどうかつの対象となった沖縄2紙の代表は、県民に寄り添った報道を続ける覚悟を語っています。野党の国会議員も6月30日、国会で緊急集会抗議集会を開きました。