第四回定例区議会で、小俣区議が、新制度について質問しました。
日本共産党は、第二回、第三回の定例会でも大橋が保育問題をとりあげ、待機児の解消は認可保育所の増設で行うこと、企業参入で保育をもうけの対象にさせないことなどを指摘してきました。前議会で、区長からは新制度は「関係者に評判はよくない」という答弁がありました。
新制度は、介護保険と同じように、保育の必要量を認定し、給付をするしくみであり、今までになかった保育制度の大きな変更です。しかし、多くの反対意見におされた修正で、児童福祉法24条1項「市町村は(中略)当該児童を保育所において保育しなければならない」と、市町村の保育実施義務がのこり、保育所についてのみ、今まで通りの施設補助による委託という仕組みが維持されることになりました。保育所運営の委託費は、今まで園児一人当たり年齢に応じてだされていましたが、新制度では保育時間が長時間と短時間との2つに分けられ、公定価格に差がつく可能性があります。保育所の運営費の大半は人件費でしめられており、短時間の子どもが多くなった場合、保育士の労働条件の悪化が心配されます。どの子も大切にする保育を保障することができなくなるのではないでしょうか。同時に、区が実施してきた保育の充実のための独自加算が継続されるかどうかも大きな問題です。
この新制度に関する国の資料によると、2015年4月からの実施のためには遅くても来年の夏までにすべての関連の条例や規定を決めなければ、保育所の入所申込みに間に合わないことがあきらかになりました。区が決める内容は、保育料基準条例をはじめ、施設に関する「運営の基準」、地域型保育事業者の認可など多岐にわたります。今まで、新制度の仕組みは、保護者や保育関係者にも十分知らされていません。また、保育時間の認定システム(保育の申請―認定―入園申し込みー調整)などの準備の時間的な余裕もなく、財源も消費税増税を見込んでの制度であり、あらためて、国に対し、制度の実施の凍結・延期を求める必要があります。また、保育所整備の補助金制度が廃止されるため、保育所増設による待機児解消は望めないばかりか、保育所の建て替えや改築が難しくなると考えられます。国に対して、保育所緊急整備事業補助金などの継続を求めるべきではないでしょうか。
質問に対して区は、保育料は従来通り所得に応じて行い、入園申し込みは従来通りとなるように努力すると回答しました。また、心配される私立保育園の委託費の支給や区の独自加算の継続は国の動向を見て判断するということでした。また、保育園の増設や改修は、都の安心子ども基金を原資にしているが、これは必要なものであり、国に継続を要望すると回答しました。