12月4日、タワーホール船堀大ホールで、高橋亜美氏の「子どもたちの心の声をきく」と題した講演がありました。PTA保護者の方がたくさん参加されていました。高橋氏は、児童養護施設や自立援助ホームを対処した人たちを対象としたアフターケア相談所「ゆずりは」所長をされています。虐待相談件数は88931、児童養護施設に約47000人。児童虐待の身体的虐待は35%、心理的虐待は33%、ネグレクトは20%、性的虐待は2%。加害者は、実母&%、実父29%、内縁の夫や祖父母などとなっています。
最も保護される場所で虐待を受けるというのは、どれだけ傷つけられるか、つらいお話でした。初めて施設に保護された小5の女子が15歳になったときに、高橋氏が「今までで何が一番うれしかったの」と問いました。「なんといっても靴下」との回答に驚くと同時に、虐待を受けることがいかに人間として大事にされていないのかが実感された体験が印象に残りました。この女の子は、食事といえば給食、お風呂にも入れず、一年中半袖短パンですごしていました。施設に来たとき、かかとがあれているのをクリームをつけて靴下をはかせてもらったことがうれしかったというのです。親もできることを必死でやっていただろう、子育てはすべて親の責任と孤独の中での子育てをしている人が多いのではないか。子どもの苦しみによりそうとともに、親の困難な状況にも思いをはせることを強調されていました。高橋氏から最後に、「子どもが健やかに生きていくために、大人も健やかであることを忘れずに大切に。お母さんが頑張らないと子育てできない社会のしくみ、子どものために自分をいたわることもたいせつにしてほしい」というメッセージをいただきました。
お話は整理されていて、実践をふまえたお話は説得力がありました。私も、子育ての社会的責任を求めて行政の在り方を提案しています。江戸川区は幼稚園保育料補助や乳児養育手当などの子育て支援がすぐれています。一方、生まれた赤ちゃんの全戸訪問、公立保育所のゼロ歳児保育、認可保育所の増設、認証保育所保育料補助、子育て相談の充実、子育てひろばへの保育士などの配置など、まだまだ待たれています。子育ては江戸川区という評判もあるようですが、働いている家庭の子育て支援は不十分です。引き続き、子育て支援を求めていきます。