8月27,28,29日の3日間、区議会福祉健康委員会の都市視察として富山市と金沢市にいきました。
まず、富山市の視察をお知らせします。
富山市は、「富山型ディーサービス」発祥の地です。1993年に富山市赤十字病院を退職した3人の看護師さんが、ディサービス事業をはじめ、赤ちゃんからお年寄りまで、障害のあるなしにかかわらず受け入れたことからはじまり、のちに富山型といわれるようになったものです。誰もが一緒に身近な地域でディサービスが受けられる場所。実際の運営は、高齢者は介護保険適用ディーサービス、障害者は「基準該当」で生活介護施設になります。学童や乳幼児の一時預かりは自主事業で、経営的にはあわないが、制度の事業を行っているからやれることだと話されていました。
見学した施設「なごなる」は、ほっとする場所という意味でしょうか。木造の施設、小規模多機能の事業をされ、ディサービスのほかに、4名のショートスティの受け入れ(介護士が一人夜勤)、障害者(児)の生活介護、放課後ディなどの事業をされています。行政から随時たのまれる一時預かりもできるだけ受け入れているとのこと。
施設長の富山型ディーサービスへの熱い思いとその行動力に圧倒されました。山形県鶴岡市(鶴岡市は江戸川区との友好都市)の講演レジメで説明を受けました。事業内容は期待通りでしたが、運営には多くの苦労があるだろうと推察されます。富山市では、富山型の施設数は、市内で55か所、県内は94か所にのぼります。運営はNPO法人が最も多く、創始者の思いが広がっているように感じました。
視察の最後に、施設長が、介護保険の要支援1・2の適用除外は厳しいことになるといわれました。日本共産党は、この法律に反対しました。社会保障の充実こそ求められます。
この視察で、障害者(児)をうけいれる「基準該当」というのを初めて聞きました。江戸川に戻って、障害者福祉課に確認すると、区内でも一か所「基準該当」で数名の障害者を受け入れていました。これは、2006年の厚生労働省令によるものです。必要があれば区でも対応をしています。これからも継続していきたいものです。
私は、視察をするにあたり、富山型をめざす「一緒がいいね ひなたぼっこ」を2度見学しました。この会はJKK南葛西住宅の一階の「あったかハウス」を月4~5回利用して、だれでも利用できる場を提供しています。「あったかハウス」は区の施設で福祉目的ならだれでも利用できます。8月17日は、昼食(カレーライス)を食べたあと、歌声でたのしいひとときを過ごしました。アコーディオンの演奏ができる方もいて、みなさんの力でささえられていることを実感しました。障がいがある小学生は「みかんの花咲く丘」が大好きだそうです。一緒に私も楽しく歌ってきました。利用責任者の高村さんは事業も今後考えたいと話されていました。
小規模の施設が果たす役割の大切さ、それを支援する行政の在り方が大切です。改悪された介護保険は、区の事業として具体化されます。介護保険の改悪に歯止めをかけるためにがんばっていきたいです。
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