12月22日、江戸川区議会熟年者支援特別委員会で、柏市の地域医療連携センターの視察に行きました。UR豊四季台団地内にあります。柏市と東京大学高齢者総合研究機構とUR都市機構と協力して進めている長寿社会に向けた街づくりです。2009年に三者で研究会をたちあげ2010年に三者協定を結び継続して現在に至っています。URは全国的に古い集合住宅の再編を30か所ですすめており、23区では、高島平(板橋)、豊島五丁目(北区)、大谷田一丁目(足立区)が医療福祉拠点形式にするとしています。古い5階建てはエレベーターもなく、4・5階の入居希望が少ないそうです。しかし、建て替えた部屋代は2倍に跳ね上がります。床面積42㎡で4万4千円が、8万4千円。65歳以上、母子家庭、18歳未満子育て世帯、障がい者世帯は半額とのことです。住民の皆さんががんばったのですね。江戸川区のURはエレベータつきの高層住宅のため再編の対象ではありません。柏市のUR豊四季台団地は、高齢者がいつまでも在宅で安心、元気に生活ができる拠点に再生するモデルとなっています。URの説明では、地域医療福祉拠点の形成、比較的低廉な家賃の「終の棲家」の提供、地方公共団体との連携(高齢者向けサービス、子育て支援など)を掲げています。建て替えの済んだ地域の街並み、解体直前の住宅、特養ホーム、建築中の商店街などを見学しました。
3者の研究会が目指す街の姿は、「在宅医療の普及」と「高齢者の生きがい就労の創成」としています。在宅医療をすすめるための研修をすすめ、在宅医療支援診療所や訪問看護ステーションの基盤強化、医療職と介護職の連携強化、情報共有システムの構築、住民への説明会・意見交換会を開き、昨年、2014年4月から柏地域医療連携センターの運営が開始されました。在宅医療をすすめ、「自宅看取り」を行った医療機関が増えました。生きがい就労の創成では、退職者が地域で活躍できる場所、短時間、賃金は最低賃金程度。シルバー人材センターへ引き継ぐ方向とのことでした。高齢者が安心して住める街づくりは、江戸川区にとっても重要な課題です。医療介護の連携をすすめる地域包括ケアシステムづくり、その拠点を2016年4月から区内でも2~3か所作る方向です。江戸川区は高齢者だけではなく、障がい者や子育て支援もできるようなシステムを考えています。社会福祉協議会が主体となって、コミュニティソーシャルワーカーを配置して相談支援にあたり、食事の提供、ゆっくりすごせる居場所にもなるような場の提供などをイメージしています。NPO法人の力も借りていく方向ですが、まだまだ研究段階です。医療介護の連携の名のもとに、高齢者を病院から追い出すのはこまります。医療機関の充実、ひとりひとりに寄り添っていくシステムこそ大切ではないでしょうか。